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特集

めまいのお話
 
  8.末梢性めまいをきたす耳科的疾患について
   
  3)耳鼻科で行われるめまいの検査

 めまいを訴えて耳鼻科を受診されますと種々の検査が行われますが患者さんのめまいの状態に応じて短時間の簡単な検査から時間をかけて、あるいは日時をかえて複数の精密な検査が行われます。目的はめまい・平衡障害の程度を知ること、めまいの原因、あるいはその責任部位の検索で、これらの検査結果に基づいて診断と適格な治療法の選択も可能になります。

(1) 耳鼻咽喉科視診による検査
1 鼓膜所見:中耳炎の程度と内耳への炎症の波及によるめまいの可能性について検討
2 咽頭、喉頭および舌運動・萎縮の観察:軟口蓋麻痺、味覚障害、声帯麻痺の有無、嚥下障害などの観察

(2) 一般脳神経学的検査
1 脳神経検査:三叉神経、顔面神経の検査
2 小脳症状の検査:指―鼻試験
3 四肢の運動障害の検査
4 四肢・躯幹の知覚障害の検査
5 腱反射・病的反射の検査

(3) 聴力検査:聴力障害の有無とその程度、後迷路性難聴の検出

(4) 体平衡検査:
1 両脚起立検査:ロンベルグ現象の有無、転倒傾向の有無
2 足踏み検査:偏倚、転倒傾向の有無
3 重心動揺検査:患者さんの訴える実際のバランスのくずれをみる

(5) 眼球運動検査
1 裸眼での検査
1: 自発・注視眼振の有無
2: 指標追跡検査(小脳症状の有無をみる)
2 フレンツエル眼鏡下での検査・赤外線CCDカメラでの検査
1: 頭位眼振検査:耳石を中心とする内耳・前庭小脳障害の有無
2: 頭位変換眼振検査:半規管を中心とする内耳・前庭小脳障害の有無
3: 頭振り眼振検査:末梢前庭の左右差、半規管麻痺の検出
4: 温度眼振検査:半規管麻痺、眼振方向優位性の検査
(6) レントゲン検査:中耳炎の病態、内耳道の拡大の有無などをみる

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