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1.はじめに |
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3)耳鼻科外来でみられるめまい疾患の頻度
めまいを訴える患者さんは内科、脳神経外科、神経科、眼科、婦人科等種々の科を受診しています。高血圧、高脂血症、心疾患、糖尿病等の基礎疾患を有し、かかりつけ医がある患者さんは先ずかかりつけ医を受診するでしょうね。そこで内科的疾患によるめまいと考えられない時には脳外科、神経内科や耳鼻科を受診するように勧められるでしょう。
耳鼻科受診を勧められた患者さんはどうして耳鼻科を受診するのかと不思議に思われることでしょう。それは人間の平衡機能を維持するのに重要な器官として内耳の半規管、前庭(末梢前庭器官)がありこの器官の破綻がめまいを発症することがあるからなのです。実際、末梢前庭障害(内耳障害)によるめまい例はかなり高い頻度でみられるのです。
それではめまいを訴える患者さんを実際に診ている耳鼻科でどのような疾患がどの位の頻度でみられるのでしょうか。一般の耳鼻科外来でみられるめまい頻度とめまいのみを専門にみていますめまい専門外来・神経耳科とでは疾患頻度はやや異なる数字となりますがおおよその頻度をあげてみます。
またこの頻度は耳鼻科を受診しためまい患者さんの頻度ですので脳神経外科、神経内科での数字とは異なることを予めご承知おき下さい。
耳鼻咽喉科で診るめまいを来す疾患のおおよそ頻度
1 良性発作性頭位めまい(眩暈)症 20〜40%
2 メニエール病 10〜20%
3 前庭神経炎 5%
4 突発性難聴(めまい合併例) 5%
5 椎骨脳低動脈不全症 10%
6 聴神経腫瘍に伴うめまい 1~2%
7 その他の末梢性めまい 10%
8 その他の中枢性めまい 5%
9 原因不明のめまい症 25%
患者さんの多くはメニール病を心配されて受診されますがこのメニエール病はそんなに多い疾患ではないことにお気づきになったでしょう。メニエール病ではありませんと答えると患者さんは安心されるのですがこのメニエール病よりも良性発作性頭位めまい症が多く、日常診療では最も多くみられる疾患です。
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