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3.脳循環について |
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それでは次ぎに脳循環について説明しておきます。一般に脳循環といいますと脳の血液循環を指します。心臓から身体の各部に送り出される血液のうち、脳組織(中枢神経系)に拍出される血液の量は全拍出量の約20%を占めています。脳の中枢神経系が正常に働くにはそれだけ多くの血液(酸素・ブドウ糖)が供給されることが必要なのです。脳組織に充分な血液を送るための脳血流は左右一対ずつの内頚動脈系と椎骨動脈系で養われています。内頚動脈系は大脳の大部分を灌流し脳内で前大脳動脈、中大脳動脈に分かれます。
椎骨動脈系は脳幹、小脳を入れた狭いスペースである後頭蓋窩と後頭葉の大部分を潅流する血管系です。左右ともに鎖骨下動脈から枝分かれして第6〜第1頚椎の中を貫通して大後頭孔を通り頭蓋腔に入ります。左右の椎骨動脈が合流直前に後下小脳動脈という分枝を出した後、合流して脳底動脈と名前を変えて上行して前下小脳動脈、上小脳動脈を分岐して中脳の高さで左右の後大脳動脈に分かれます。内頚動脈系と椎骨動脈系の終末主要枝である後大脳動脈とは後交通動脈で、左右の前大脳動脈は前交通動脈で連絡しています。このような内頚動脈系と椎骨動脈系は輪を形成しておりウイリス動脈輪と呼ばれておりましてその存在意義は1つの主幹動脈が閉塞しても側副血行路によって脳循環が保たれるようになっているのです。
1)めまいに関係する脳の血管のやさしい説明
脳は4本の血管、即ち、頭部の前方から左右一対の内頚動脈、後方から左右一対の椎骨動脈によって血液を供給されています。
めまいと関係の深い血管は椎骨動脈で、脳内で合流して1本の脳底動脈となって人間のバランス・平衡機能に関与する脳幹、小脳、内耳の働きに大きく関係しています。
以上に述べてきた正常な脳循環系に出血、梗塞等の障害が生じますとめまいを始めとする種々な神経症候が出現してきます。そこで次ぎに脳血管障害にどのような病態があるのかその分類を提示します。
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