このうち、鼻中隔前下方のキーゼルバッハ部位(人差し指を鼻の中に入れて触れるところ)からの出血が鼻出血の大半を占めています。 この部位は動静脈が豊富に吻合しています。 出血の機転は主にアレルギー性鼻炎や鼻汁による炎症や湿疹様変化によって鼻をいじったり、ほじったりすることによる外傷でさきほど述べた部位から出血します。また、鼻を強くかんだり、洗顔時、咳き込んだり、便秘でいきむ時や運動時の血流の急激な変化などによっても鼻出血をみることがあります。 これらキーゼルバッハ部位からの鼻出血は鼻から血液が流れ出しますが、初めから出血がのどの方に流れ落ちて口から血液を吐き出す時の出血は注意が必要です。 この場合の出血部位は鼻腔の奥の方の蝶口蓋動脈<チョウコウガイドウミャク>からの出血で大量出血につながります。