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応急処置について

耳鼻咽喉科の救急疾患
 
  1鼻出血の出血部位とその原因
   
  鼻出血の原因は大きく2つに分類されます。
 
◎局所的原因
 
 

 このうち、鼻中隔前下方のキーゼルバッハ部位(人差し指を鼻の中に入れて触れるところ)からの出血が鼻出血の大半を占めています。
 この部位は動静脈が豊富に吻合しています。

 出血の機転は主にアレルギー性鼻炎や鼻汁による炎症や湿疹様変化によって鼻をいじったり、ほじったりすることによる外傷でさきほど述べた部位から出血します。また、鼻を強くかんだり、洗顔時、咳き込んだり、便秘でいきむ時や運動時の血流の急激な変化などによっても鼻出血をみることがあります。

 これらキーゼルバッハ部位からの鼻出血は鼻から血液が流れ出しますが、初めから出血がのどの方に流れ落ちて口から血液を吐き出す時の出血は注意が必要です。

 この場合の出血部位は鼻腔の奥の方の蝶口蓋動脈<チョウコウガイドウミャク>からの出血で大量出血につながります。

   
 
◎全身的原因
 
   これは何らかの基礎疾患がありそれが鼻出血を招いたと考えられる鼻出血です。基礎疾患として考えられるのは以下のような疾患です。
   
  (1)  循環器疾患として高血圧、動脈硬化症があります。一般には高血圧のみでは鼻出血は発症しないとされていますが、血圧の急激な変化は鼻出血に関与すると考えられています。
 鼻出血をみると通常の場合は驚いて又不安になって血圧は上昇しますので、受診して血圧を測定すると血圧が高くなっている患者さんが多いので、出血の原因は高血圧症と診断される場合も多いのではと思います。
 
  (2)  血液疾患が挙げられます。これらには血小板減少性紫斑病<ケッショウバンゲンショウセイシハンビョウ>、再生不良性貧血、白血病、血友病、播種性血管内凝固障害<ハシュセイケッカンナイギョウコショウガイ>、Osler病等があり、鼻出血でこれらの疾患がみつけられることもあります。
 
  (3)  代謝性疾患には肝硬変、腎不全、甲状腺機能亢進症等が鼻出血を誘発することがあります。
 
  (4)  薬物によると考えられるものとして抗凝固剤、非ステロイド性消炎剤等を内服している時にも鼻出血を来すことがあります。
 
  (5)  その他、間接的に誘引となるものに月経、妊娠などホルモンの影響として代償性、補充性鼻出血があります。
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