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特集

めまいのお話
 
  7.小脳症状、脳神経症状を診る検査

 中枢性めまいでは種々の脳神経症状、小脳症状を示します。そこでこれら神経、小脳の異常を診る検査について触れておきたいと思います。

1) 脳 神 経 検 査
下記の脳神経症状の有無をみる検査です。
(1) 嗅神経:
タバコ・香水などのにおいの強いものをかがせる。
(2) 視神経:
患者さんの片方の目を覆い、医師の差し出した指先を見つめさせて片目づつ視力と視野を検査します。
(3) 動眼・滑車・外転神経:
眼瞼下垂、瞳孔の大きさと対光反射、斜視、複視、眼球運動、眼球の位置(共同偏倚、眼振、異常眼球運動)などを見る。
(4) 三叉神経:
顔面の温痛覚・触覚、角膜反射、咬筋・側頭筋の収縮および開口を見ます。
(5) 顔面神経:
各表情筋の運動、味覚検査、アブミ骨筋反射の検査。
(6) 聴神経:前庭神経(平衡機能検査)、聴神経(聴力検査)。
(7) 舌咽・迷走神経:
発声時の軟口蓋挙上・偏倚、咽頭反射、声帯の運動などを見ます。
(8) 副神経:
肩の挙上(上部僧帽筋)、頭部回転(胸鎖乳突筋)で左右差を見ます。
(9) 舌下神経:
舌を前に出して偏倚(かたより)の有無と舌運動を見、また萎縮の有無を見ます。

2) 小 脳 機 能 検 査
 小脳障害は中枢性めまいの主要な原因の1つであり、一般には小脳虫部の障害では起立障害、坐位がとれない、歩行障害などの体幹運動障害が主にみられ、小脳半球の障害では四肢の運動失調、筋緊張障害、構音障害などがみられます。
そこで小脳の障害の有無を調べる検査の内容を示します。

(1) 立位・坐位・歩行検査:
開眼でも立位で動揺が大きく、ベッド上の足を床から浮かせた坐位でもふらつきが強く膝を開き両手で上体を支える。歩行では足を開き、よろめき、千鳥足歩行、酩酊歩行となる。これらの状態の異常を総合して運動失調を評価する。
(2) 構音障害:
発語が不明瞭でゆっくりになる。単音節の反復などをみる。
(3) 上肢の運動失調をみる検査:
指―鼻試験:
患者さんの示指を患者さんの鼻に持ってくる検査

鼻―指―鼻試験:
患者さんの鼻と医師の指との往復運動が円滑にできるかを見る検査してその正確さ、推尺の程度、測定の過小・過大を評価する。

膝打ち試験:
坐位で膝を手掌と手背で交互に素早く打たせる。障害側で遅く、不規則になります。

回内回外検査:
両手を前に出してできるだけ早く内向き、外向きの一連の運動をさせてその規則性、早さをみます。障害側で遅く、不規則になります。
主に小脳半球の機能をみる検査です。
(4) 下肢の運動失調をみる検査:
一般には踵・膝試験を行う。仰臥位で膝に置いた踵を脛骨に沿って下方に足関節、足背に達したら再び膝に戻す運動を繰り返して行いその正確さを検査する。
(5) 眼球運動の観察:
側方視の注視異常、指標追跡での滑動性の消失を認めます。

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