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6.高齢者とめまい |
年齢と末梢性めまい、中枢性めまいの出現頻度をみると60歳までは末梢性めまいが多く、60歳を越えると末梢性めまいと中枢性めまいが同頻度となり、70歳以上になりますと中枢性めまいの頻度が高くなります。
体平衡は末梢前庭器、脳幹、小脳などの中枢機能、視覚や深部知覚からの入力によって維持されていますがこれらのいずれの部位にも加齢変化は生じてめまいや平衡障害がおこります。
高齢者の末梢性めまいは高血圧症、動脈硬化による循環障害に伴う内耳障害によって生じるめまいが多く、良性発作性頭位めまい症、メニエール病、突発性難聴、前庭神経炎などがありますが、高齢者のめまいとして特に注意を要する中枢性めまいの原因としては脳血管障害、腫瘍、変性疾患、外傷がありますが中でも椎骨脳底動脈循環不全症の頻度が高く、めまいの原因として内服している薬剤、特に降圧剤による起立性低血圧によるめまい、頚椎症・腰痛症に起因するものや心因性・うつ状態によるめまいもみられます。
めまいによる転倒で骨折して寝たきりになる例も多く、糖尿病、高血圧症、高脂血症などの疾患は脳血管障害をきたすリスクファクターとなりますので日頃より主治医の指示を守って頂きたいと思います。
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