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特集

めまいのお話
 
  2.中枢性めまいについて
   
   それでは私は耳鼻科医ですが耳鼻科的めまい、末梢性めまいを説明する前に専門外ではありますがめまいを来す疾患としては2割以下ではありますが脳血管障害に伴うめまいには十分気をつける必要があり生命に直接かかわることもありますので中枢性めまいについて先ずお話したいと思います。

 めまいを起こす疾患の中に椎骨脳底動脈循環不全、その他の中枢性めまいが10数パーセント挙げられていますが中枢性めまいとは病変が解剖学的には脳に在って腫瘍病変、変性疾患、血管病変等によって起るめまいで、中でも急性に発生して生命に関わり可及的早期の対応が急がれる疾患としては脳卒中があります。
この脳卒中には脳の血管が破れる脳出血、脳血管がつまる脳梗塞、脳動脈の瘤が破れるくも膜下出血に分類されます。

* 脳卒中には3つのタイプがあります。
1) 脳梗塞:
1 脳の太い血管が細くなってつまることでおきます。
2 心臓にできた血栓が脳動脈に流れ込んで血管を閉塞しておきます。
3 脳の細い血管が動脈硬化を起こして梗塞をおこします。
2) 脳出血:脳の細い血管が破れて脳内に出血しておきます。
3) くも膜下出血:脳内の動脈瘤が破れ、くも膜と軟膜の間に出血しておきます。

 (A)脳卒中の前触れについて:

 そこで現在、お元気に過ごされています皆さんの中には脳卒中発作に至る前にこの疾患の前触れとしての症状がみられる例がありますのでこれについて先ず触れておきます。

1 急に片方の手がしびれて動かない:茶碗・はしなどを落としてしまう。
2 急に片方の足がしびれて動かなくなる:麻痺が起きている状態でふらついて歩行できなくなる。
3 顔の半分がしびれて麻痺がでる。
4 意識障害:突然、おかしなことを言う
5 構音障害:ろれつがおかしくなり話ができなくなり、周囲のひとには何をいっているのか分からない
6 視力障害:急に片目が見えにくくなり、目の前が真っ暗になる。物が二重になり、視野(物が見える範囲)が狭くなる。
7 めまい:急にめまいが起り、ふらついて歩行ができなくなり立てなくなる
8 突然の激しい頭痛が突然起る。

以上の前触れは一時的で多くは十数分以内でおさまりますが症状が消失しても安心できません。是非、脳神経外科などの専門医を受診してできるだけ早く治療を開始して下さい。

 (B)脳卒中の予防対策としての生活改善について:

脳卒中にとって高血圧症、糖尿病、高脂血症は大きな危険因子になりますのでかかりつけ医の管理の下で適切な治療を受けましょう。
1 高血圧症:高血圧によって血管に圧がかかり動脈硬化による脳梗塞、脳出血が起りやすくなります。
2 心臓疾患:心臓内部に血栓ができやすくなり、脳塞栓症を引き起こす原因になります
3 糖尿病、高脂血症、高尿酸血症:動脈硬化が進行してアテローム硬化が起きて血管がつまりやすくなります。
4 肥満:血圧が上がり心臓への負担も大きくなります。

 (C)脳卒中が起きた時の処置について:

めまい、嘔気、しびれ等の異常が生じた時は医師の診察をできるだけ早く受けましょう。かかりつけ医がありましたら直ぐ連絡して救急車が来るまで応急処置をとって下さい。
1: 患者さんに意識があるとき:
1 できるだけ安静にして体はできるだけ動かさない
2 歩かせないようにする
3 室温、寒さ・暑さに注意する
4 食物・水分は与えないで口を湿らせる程度にする
2: 患者さんの意識が消失しているとき:
1 無理に体を動かさない
2 ベルト、ネクタイ等は外します
3 麻痺している側を上にして寝かせます
4 移動させるときは頭部を動かさないように布団などに乗せて布団を動かして移動します
5 嘔吐したときは顔を横にして吐物が気道を塞がないようにします
6 いびきやのどがゼイゼイしているときはタオルを丸めて肩の下に入れて枕はしないで下さい
7 失禁しても無理に動かして取り替えないで下さい。
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