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季節的な病気について


  鼻アレルギーに対する水泳の影響
   
 

 アレルギー性鼻炎を有する患者さん、特に小児、学童のお母さんより「水泳をさせたいのですがどうでしょうか」と質問を受けることが多くなっています。

 正直なところ確信を持って答えることができませんが、私自身の水泳の体験から申しますと、アレルギー性鼻炎の症状が出ている時の水泳後に、余りの鼻づまりで車の運転も大変だったのを覚えています。

 現在までに水泳がアレルギー性鼻炎にどのような影響を及ぼすかについては耳鼻科医の中でも意見が分かれています。馬場は鼻アレルギーに対する水泳の影響について耳鼻科医にアンケート調査を行った結果を報告しています。

 これによると水泳がアレルギー性鼻炎に対して与える影響は

悪化するもの 15.2%
好転するもの 20.5%
どちらとも言えない 64.3%

 つまり、患者個人個人の病気の程度やその時の状態を診て水泳の可否を決定していて、画一的に決めてしまうべきではないとの考えが多いと述べています。

 遠藤は水泳をしている鼻アレルギーの児童の鼻内所見として、鼻粘膜の発赤があり、水様性、膿性鼻汁が多かったとし、また、水泳群と非水泳群とでは水泳群に鼻アレルギーの有病率が高かったと報告していますので水泳が鼻粘膜の刺激因子であることは間違いないようです。

 この原因の1つにプールの水や消毒薬の影響が考えられています。これらのことは動物を使った実験でも確かめられています。
 水泳は健康増進には大変良いスポーツでありますが以上の事実よりアレルギー性鼻炎の児童が水泳を行う場合は施設の水質管理の状態に注意して下さい。

 例えば消毒薬が強くて目が痛い、涙が出る等が度々ある時は一時中止しましょう。水泳の前後で鼻をかむようにしましょう。アレルギー性鼻炎の症状の強い時期は耳鼻科医の診療を受けながら水泳を継続するか中止するか相談したらいかがでしょうか。

  イラスト
 

【参 考 文 献】
馬場 廣太郎:鼻アレルギーに対する水泳の影響
   JOHNS 7(11):69−72、1991
遠藤 朝彦 :スイミングスクールと鼻腔病態
   JOHNS 4(11):71−76、1988

 
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